
古民家DIYシリーズ、今回のテーマは壁の仕上げ。
下地処理(パテによるつなぎ目・穴埋めなど)は、前回の水性塗料のDIYで行ったと同じ手順で進め、その上に柿ウォールという塗り壁材を使って仕上げました。
まず、柿ウォールについて簡単に紹介します。
柿ウォールは、柿タンニン、珪藻土、炭酸カルシウムなどの天然素材100%でできた塗り壁素材です。
特徴として、VOC除去力、消臭力、抗菌・ウィルス不活性化、調湿効果・結露防止、防カビ効果などが挙げられます。
練って状態で届いたらすぐに使えること、嫌な臭いがないこと、手についても水で洗えばすぐに取れること、手袋をはめた手で塗れることなどから、DIY向きで、初心者でも扱いやすい設計です。
参考:「手でぬろうよ 柿ウォール(練体)」株式会社アットパーシモン:https://persimmon.biz/item/310/

この柿ウォールを選んだ第一の理由は、子どもと一緒に壁塗りを楽しみたいと思ったからです。
子ども自身に体験をさせたい、思い出を作りたい。
この目的に対して、手で塗れるタイプであること、天然素材で安心して作業できることが大きな利点でした。
また、塗装が一回で済む点も選択した理由の一つです。
では、作業の流れを手順ごとに記します。
1.下地処理

下地処理(パテ塗り・修正)は前回の水性塗料塗装時と同様の手順で実施しました。
マスキングや養生を丁寧に行います。
端や周辺へのはみだしを防ぐため、塗装範囲の境目にマスキングテープとマスカーを使いました。
次にプラスターボードのつなぎ目・ビス穴をパテで埋め、ヘラでしごいて表面を整えました。
乾いたらファイバーテープを貼ってさらにパテ。
続いてヤスリで表面を平らにならす。
コツがわかるまでは明らかに厚塗りになりがちでしたが、繰り返すうちに慣れてきました。
ただやはり素人が行う作業なので、プロの職人さんが行うような凹凸のない仕上げには程遠い出来となりました。
しかしここはDIY。
時間の都合もあるので、ほどほどの仕上がりで止めました。
子どもたちもこのパテ作業に参加。
子どもにとってはまるで粘土遊びのようで、楽しんで塗っていました。
ただし、特に5歳の子は厚塗りになりがちなので、後で大人の修正が必要でした。
7歳の子は比較的集中して作業できましたが、それでもムラや凸凹は出るため、後から親がコテで手直しを加えました。
2.柿ウォールの塗装

最初は手袋を両手に付けて塗ろうとしましたが、子供にとっては扱いが難しかったようです。
また塗料が体や服に付いて気になり、手袋を外したがる場面が多々発生しました。
手袋を外そうとすると、今度は別の部分が汚れる…
というのが何度も発生し、残念ながら早々に手袋は外しました。
今思うと、手袋は片手にすれば結果は違ったかと感じています。

ここで、必須アイテムだったのがコテバケです。
実施前の想定では子供が手袋付の手で塗り、大人がコテバケで修正、と思い予め買っておいたのが大正解。
子どもも大人も、コテバケを使って塗るようになりました。
5歳の子は途中で疲れて離脱しましたが、7歳の子は一生懸命塗ってくれました。
塗るときの手順はまずコテバケに適量の柿ウォールをのせ、壁に縦方向に塗り付け、次に横方向にならしていく。
こうすると均質なテクスチャーが生まれ、自然で美しい仕上がりになりました。
塗料の伸びもよく、以前に左官コテで珪藻土を塗ったときよりも扱いやすかった印象です。
ただ、穴がぽつぽつあいたり、端っこが塗りにくかったりして、部分的に手直しが必要でした。
そのため、一度塗ったあと気になる部分をもう一度重ね塗りしました。
3.感想

柿ウォールは、一回塗りで完了する点が大きなメリット。
前段階での水性塗料と違って、シーラー塗りや重ね塗りを何度も必要としないのは、DIYにはとても助かります。
頻繁に現場に来られるわけでもないので、工程が少ないのはありがたかったです。
仕上がりを見比べると、水性塗料による滑らかな壁と比べて、柿ウォールは刷毛跡や凹凸のある表情が出て面白い。
また、水性塗料ではパテ痕が目立ちやすかったネジ穴も、柿ウォールではほとんど目立たなくなりました。
これも、仕上げ材としての良さの一つだと感じます。
この作業中、偶然にも工務店さんから「明日トイレを設置します」と知らせが入り、急きょその部屋も塗装することになりました。
夕方から夜までかけて作業を追加。
大変でしたが、家族や仲間でわいわいやりながらできたのは、楽しい思い出となりました。
子どもと塗装した時間、手伝ってくれた大人たちと過ごした合宿のような空気感。
そうした経験が、家をただの建物以上の存在にしてくれます。
後年、あのときは大変だったね、と話せる時間になると信じています。
2種類の仕上げ(ケイカル板への水性塗料 vs 柿ウォール)を通して、双方の良さや特徴がよくわかりました。
実践を通じて学べたことは多く、今後に活かしたいと思います。

次回はDIY⑤として、アレスしっくい使った仕上げ塗装に挑みます。
プラスターボードに塗る予定で、柿ウォールとはまた異なる風合いや調湿性を体感できるはずです。
またよかったら覗いてみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
▼その他のDIY記事はこちら