
古民家再生DIYの続きです。
今回は、洗面台の背面に設けたケイカル板(ケイ酸カルシウム板)へ、水性塗料を塗りました。
本音を言えば、プロにお願いした方が仕上がりはきれいで早い。
でも、あえて自分の手で塗ることにしました。
手を動かすたびに職人さんの技術の高さや、ものづくりの尊さが身に沁みます。
それによって、建物への愛着が増し、大切に使っていこうと思えるからです。
それに、多少のムラやローラー跡が残ったとしても、それが味になるのがDIYの良さ。
すべてがきれいに整っているよりも、あえて不揃いな表情がある方が落ち着く気がします。
1.手間のかかる事前準備

今回の壁は、洗面所の湿気を考慮して、珪藻土ではなく水性塗料を選択しました。
以前使ったことがあり、扱いやすさを知っていた水性ケンエースを採用。
臭いも少なく、室内作業でも安心です。
まずは準備からがDIYの勝負。
必要な面積を測り、塗料の量を計算。
ローラーや刷毛、マスキングテープ、マスカーなどを揃えます。
プロなら当たり前の工程も、素人にはなかなか大変。
だからこそ、塗料の種類を事前に決めておけただけでも、ずいぶん気持ちが楽でした。
現場ではまずマスキング作業。
コンセントまわり、窓枠、床の際など、汚したくない部分を一つひとつ覆っていきます。
これだけでも予想以上に時間を取られました。
2.壁の下処理➀パテを塗る

次にパテ処理。
ケイカル板のつなぎ目やビス穴をパテで埋め、ヘラでしごきます。
最初は厚塗りになりがちでしたが、少し多めにパテを取って塗ると、結果的にきれいに仕上がりました。
慣れてくると、ビス穴も1〜2回で埋まります。
乾いたらファイバーテープを貼って再びパテ。
テープを隠そうとつい厚く塗りすぎて、ケイカル板より出っ張ってしまいましたが、これも経験のうちです。
パテを乾燥させた後、やすりがけで表面を整えます。
つい削りすぎるとキリがないので、今回はほどほどで妥協しました。
完璧を目指さないことも、DIYを楽しむコツかもしれません。


3.壁の下処理➁シーラーを塗る

続いて、下地のカチオンシーラー塗り。
ケイカル板は吸水性が高い素材のため、シーラーを塗ることで吸い込みを抑え、塗料を密着しやすくします。
使用したカチオンシーラーは透明と白の2パターンがありましたが、今回は白を使用しました。
事前に調べた通り、色がついているため塗り残しが分かりやすいのがありがたかったです。
ただしサラサラして垂れやすいので、マスカーのありがたみを痛感しました。
4.ケイカル板に水性塗料を塗る

そして、いよいよ本番の塗装。
ローラーを縦横に動かし、ムラが出ないよう慎重に。
伸びがよく、壁一面だけの塗装だったため、一度目の塗りはすぐに終わりました。
乾燥後、もう一度重ね塗りすると、見違えるほど均一に。
パテの跡が少し浮いて見える部分もありましたが、洗面台や照明が入れば気にならなくなると・・・信じています。
むしろ、打ちっぱなしのコンクリートの〇穴のような素朴な模様が浮かび、偶然の味わいが生まれました。
5.おわりに

DIYを通してプロの仕事の丁寧さや、建物が少しずつ息を吹き返していく感覚を、自分の手で感じられたのは何よりの収穫です。
そして次回はいよいよ、DIY④「プラスターボードに珪藻土風塗料を塗る」編。
大きな面積を塗るため、部屋の表情を左右する大切な仕上げです。
珪藻土風塗装ならではの温かみや質感、そして調湿効果を活かして、またひとつ建物に味をつけていきたいと思います。
少しずつイメージが形になっていくのを感じながら、次の工程へ少しずつ進みます。
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