所属している全日本不動産業協会の勉強会に参加し、物件の写真撮影について学ぶ機会をいただきました。
物件写真は、買主や借主となるお客様が最初に目にする、とても大切な要素です。
まず膨大な物件情報の中からちょっと見てみよう、と思っていただくには、最初の一瞬で伝わる写真が必要になります。
私自身も物件を探すとき、写真をざっと見て興味があるかどうかを瞬時に判断していた経験があります。
またリサーチして目に留まった物件の詳細を確認する際、必要としているお客様にこの物件だと思っていただくためにも、写真の力は欠かせません。
一方で、売主・貸主のお客様にとっても、思い入れのある物件を次に大切にしてくださる方へつなぐためには、魅力を正しく伝える写真が必要です。
二方のお客様の間に立つ私たち不動産業者にとって、写真は単なる記録ではなく、信頼をつなぐ大切な橋渡しの役割を果たします。
では「よい物件写真」とは何か。勉強会を通して感じたことを少し書いてみたいと思います。
「よい写真」の撮り方とは
カメラに詳しい方であれば一眼レフを使って本格的な撮影が理想ですが、私たち実務者が日常でそこまでやるのは現実的ではありません。
多くの場合、デジカメやスマホを使って撮影することになります。
講師の方から教わったのは、
・絞り
・シャッタースピード
・ISO感度
といった設定を調整するだけでも印象は変わるということ。
とはいえ、慣れるまでは難しく、私も正直すぐに使いこなせる自信はありません。
だからこそ光を味方につけること、そしてグリッド線を使い水平垂直を意識すること、そして必要に応じてアプリで補正することが現実的な工夫だと学びました。
ただし、物件写真は芸術作品ではありません。
本物と違う色合いにならないようにする注意も必要です。
モデル物件での写真撮影会
物件撮影において「よい写真」を撮るために一番重要で印象に残ったのは、写真の目的を意識することでした。
今回は協会メンバーの方のモデルルームをお借りして撮影練習をしました。
最初は部屋全体を撮ることばかり考え、隅から隅まで撮り残しがないように必死でした。
しかし「掃除のしやすそうなコンロを写したい」とか「キッチンから子供の遊ぶ様子がよく見えることを伝えたい」とテーマを意識して撮ると、不思議と写真の説得力が増すことを体感しました。
もちろん全体を把握できる写真も必要ですが、お客様が物件に住んだり使ったりするイメージを持てるような写真こそが「よい写真」なのだと思います。
今回の勉強を通じて、写真撮影は単なる作業ではなく誰に、どんな風に伝えたいのかを考えることが大切だと実感しました。
これから物件の撮影に臨むときには、この学びを意識しながら一枚一枚に気持ちを込めていきたいと思います。