シェアハウス向け物件を見送った理由①

地方で小さく事業を始めたい方の物件探しをお手伝いする中で、見良さそうに見えたけれど、最終的に見送った物件がいくつも出てきます。

今回はその中の一つ、茨城県沿岸部にある、価格も雰囲気も魅力的だった物件について、なぜ購入・活用を見送ったのかを整理しておきたいと思います。

これはダメな物件だったという話ではありません。
今回の前提条件では合わなかった、という記録です。

 

今回の相談の前提条件

今回の物件探しは、次のような前提で進めています。

  • 地方でシェアハウスを兼ねたセカンドハウスを持ちたい
  • 犬と一緒に暮らせる個室が必要
  • 高い収益性よりも、無理なく続けられることを重視
  • 人を迎える以上、住人・近隣・将来に対して説明責任が持てるかを大切にする

 

検討した物件の概要

  • 場所:茨城県沿岸部
  • 立地:駅から徒歩圏内、海が近い
  • 価格帯:比較的安価

 

写真で見る限り、

  • 外観は日本家屋らしい雰囲気がある
  • 内装も比較的きれいそう
  • 海の近くで楽しそうな暮らしが想像できる

最初に情報を見たときは、一度ちゃんと検討したい物件だなと感じました。

 

魅力的だった点

この物件の良かった点は、正直いくつもあります。

  • 初期費用を抑えられそう
  • 駅が近く、将来的な住人募集もしやすそう
  • 海の近くという立地が、シェアハウスの物語性につながる
  • 外観に雰囲気があり、発信や紹介もしやすそう

写真だけを見ると、前向きに話が進みそうな要素が揃っていました。

 

見送った理由

最終的に見送る判断をした理由は、主に3つあります。

➀規模が小さすぎることによる人間関係のリスク

オーナー部屋を除くと、入居者として使える部屋は2室のみでした。

少人数で始めること自体は悪くありませんが、

  • 相性が合わなかった場合の逃げ場がない
  • 空気が固定化しやすい

というリスクがあると判断しました。

小さく始めると、閉じすぎるは別だと感じました。

 

➁ 間取りの問題(暮らし・運営面)

トイレの動線も見送った理由の一つです。

現状の間取りでは、トイレに行くために他人の個室を通らなければならない構造になっています。

シェアハウスでは、

  • プライバシー
  • 生活リズム
  • 小さなストレスの積み重ね

が非常に重要だと考えます。

我慢すれば使える間取りは、シェア空間では長続きしません。

 

ただし、この辺りはリフォームで改善できる可能性もあります。

 

➂津波浸水区域という立地リスク

この物件は、津波浸水想定区域内にあります。

気にしない人もいる、という考え方もありますが、住居として人を迎える以上、説明責任は避けられません。

  • 自分自身が安心して暮らせるか
  • 人に貸す立場として、きちんと説明できるか

の二点を踏まえ、お客様ご自身が判断されました。

 

この物件が向いている人/向いていない人

向いている人

  • 単身での居住
  • セカンドハウス
  • 趣味や拠点としての利用

向いていない人

  • 賃貸として人に貸したいと考えている人
  • 長期的な居住や安定運営を前提にしている人

 

物件自体が悪いのではなく、考え方の違いです。向いていない人に当てはまる方でも、考え方によっては検討も可能です。

 

今回の判断から得たこと

今回改めて感じたのは、

  • 安さや雰囲気は、あくまで入口
  • シェアハウスでは間取りと人間関係が優先される
  • ハザードは説明責任で考える

という点です。

楽しそうかどうかよりも、数年後も無理なく続けられるかを基準に今回は判断しました。

今後も、同じ前提条件で物件探しは続きます。
その中でなぜ選ばなかったのかを一つずつ言語化していくことで、これから地方で小さく事業を始めたい方の参考になればと思います。